何も起きていないときこそ、備えを(子どもと防災)

・・・あちこち揺れていますね。

いつか、また、大きな災害が来るだろうと、
心して過ごしている人も多いのではないでしょうか。

自然が起こすことに対して、私たちができることは限られているけれど、
できることは、備えておいた方がいいですよね。

特に、お子さんが小さいご家庭は、不安も倍になるのではないかと思います。

最近、災害が起こるかも。。という不安です。
どうしたらいいんだろう、準備はこれでいいのかな?

というような話を聞くことがたて続いたので、子どもと防災について書いてみます。

日常こそ、準備の時

「日常」そこは、子どもにとって一番安心して学べる場所です。
日々の関わり、生活の延長で、備えと準備、練習をするということが、
一番簡単で、効果的!

町を歩きながら、自分の住んでいる場所はどんな特徴があるのか、観察するのもいいでしょう。
防災マップは、必ず自治体が配布しています。
自分の家や住んでいるエリアで一番リスクの大きい災害はなんでしょう。
通学している学校、いつも遊んでいる公園、避難場所指定になっているけれど、本当に安全?
日常の暮らしの中に、万が一の時どうする?という質問をプラスとして備えにつなげていく・・・。

ぜひ、日常を上手に活用していきましょう。

 

日常の延長に考える:保存食について

ローリングストックという名前が広がっていますね。
みなさんご存じですか?

ローリングストックとは、普段から少し多めに食材、加工品を買っておき、
使ったら使った分だけ新しく買い足していくことで、常に一定量の食料を家に備蓄しておく方法
のことを言います。

この通り、日常的によく使う食材で保存がきくもの。

この視点で、保存食を検討することをお勧めします。

同じ缶詰でも、よく使うもの、子どもがよく食べるもの、あると思います。
そういうものをチョイスしておくといいでしょう。

乾物も、同様です。

<おすすめのやり方>
STEP1:
今の状態でいいので、家中においてある食材(冷蔵庫と冷凍庫のもの以外)を、
全部目の前に並べてみましょう。

STEP2:
目の前の並んだ食材で、保存期間が長いものをチェックして、紙に箇条書きにしていきます。

STEP3:
保存がきく食材を眺めながら、保存食にできるものにマークをつけてみましょう。

STEP4:
マークをつけた食材を見ながら、食材のバランスがとれているか眺めてみてください。
※主食、あたたかい汁物、野菜、果物、お菓子、飲み物などなど。
子どもの好きなものや、食べたらほっとするもの、簡単にエネルギー補給できるものとかも、あるといいですよね♪

STEP5:
ほかにもあったらいいなと思うものがあれば、リストの追加していきましょう。

STEP6:
保存食リスト(きれいに書き直してもらってもいいと思いますが^^)が完成!

STEP7:
月に一度、状況チェック!賞味期限がやばそうなものや使い、足りないものは買い足す。

※これを繰り返すだけ!

お子さんがいらっしゃれば、お子さんと一緒にやるとさらにいいと思います。
3歳くらいなら、一緒にやると効果があると思います。
お子さんとやる場合は、きちんと何のために、何をしているのか、説明しながらやると効果大です。
どこにしまってあるかとか、これかもしもの時にも使うやつだよ、とか、ね。

万が一の時に、一緒に準備したり、このプロセスを踏んだお子さんであれば、状況の理解と落ち着きが違ってくると思いますよ。

もしもうひと頑張りできるならば、ゴミが少ないとか、調理時間がかからないとか、水があまりいらないとかという
視点も追加できれば備えレベルがアップ!!!

あと、ビタミン!!!
ビタミン不足になるので・・・

日常の延長に考える:備品編

同時に防災バックや家の備蓄、その他の備品についても、何が必要かが見えてくるかと思います。

(例)
・情報をとる器械
・救急セット
・常備薬
・燃料、エネルギー関係(火・水・電気・ガスなど)
・調理器具
・各種連絡先や連絡手段
・日用品
・生活用品
等など

準備するもの、これも住んでいる場所、家族構成によって変わると思います。
自分たちがどんな場所に住んでいて、どんな家族構成で、保管できる環境はどれくらいあって、
持ち運ぶ際の容量はどれくらいで。。。

それらを考えながら、何をどれだけ準備するか、考えてみましょう。

これでしか使えない!
使え方が1つのものばかり準備すると、すごくたくさんの種類の、たくさんのものが必要になります。

備えという点を考えた時は、【いくつかの使い方ができるもの・いろんなものに使えるもの】が、
助けてくれます。
使える水に限りがある、持てるように限りがある、おいておく場所に限りがある。。。
何か限りがある状態であれば、特に、ですね。

これを、なるべく多くそろえられると、物の量を減らして、いろんなことに対応できると思います。

日本は、便利な国なので、同じ機能を持つものが、たくさんの種類にわかれて売られています。

例えば・・・
■吸水ポリマー系

・赤ちゃん用&子ども用おむつ
・大人用おむつ
・生理用ナプキン
・ペット用おむつ
・ペット用シート

近いものをいれると、
・ペット用のトイレ砂

大量の【水分】を閉じ込めて、もらさない機能を持つもの。

例えば・・・
個別包装している生理ナプキンは、
万が一けがをして出血した際の傷口に応急処置として、充てることもできます。

ペットシートは、急な嘔吐物(床などの場合)、上からとりあえずかぶせてしまえば、水分は吸収してくれます。

などなど。

私たちの周りにある便利なもの(たくさんの人の英知の結晶)を見直してみてくださいね。

■手ぬぐいや風呂敷のようなもの
昔からあるもの、昔ながらの知恵も、役立つはずです。

手ぬぐいは、あらゆるものを拭くことができます。三角巾のように縛ることにも使えます。何より、すぐ乾く。
切り裂いたら、ガーゼの代わりにできたり、ベルト、紐と、いろんなものに変身させることができますね。

風呂敷は、どんな形のものでも包み運ぶことができますよね。
少し大きめのものであれば、授乳ケープの代わりになりますよ。

■新聞
新聞紙も、いろんな利用ができるものです。
新聞とっている人も、今の時代少ないのかな?
私も、子ども新聞しかとっていませんが、フリーペーパー系の新聞とかもありますね。

・水分を吸い取る(靴の中に入れる、濡れているところに敷く)
・食べ物を置く、包むなど食器の代わり
・座布団の代わりや敷物の代わり
・骨が折れた時の副木の代わり
・丸めて、服の中や寝袋の中にいれたら寒さを和らげる
・ゴミ箱の代わり
・子どもの遊び道具になる(アイディア次第で、何でも作れる、遊べる)

持っているもの、いつも使っているもの、身の回りになるもの。
ぜひ、確認してみてくださいね。

 

日常の延長に考える:インフラ編

水が使えなくなった!電気が止まった!!!
そうなってから、どうしよう・・・と考えて行動するのもいいですが、
オススメは、何事も何も起きていないときに深刻すぎず、やってみる!ことです。

例えば・・・

STEP1:
「今から、○○までガスが使えない場合の生活します!!」と、急に宣告してスタート(笑)
はじめは、朝起きてから夜寝るまでとかでいいと思います。
負担が少ない感じではじめてみて、慣れてきたら時間を延ばしたらよし。
家族で一緒に「ガスを使っているものは、何だっけ」と調べるところからはじめてみましょう。
お子さんは、特に家のどの機能が、どのエネルギーで動いているのかということが繋がっていないことがほとんどだと思います。
みんなで、状況の確認です。何ができて、何ができなくなるのかを、はっきりさせること。

STEP2:
できない機能について、どうするか、家族で考えてみる。
我が家の場合、ガスが止まると、キッチンの火が使えなくなり、お湯が出なくなります。
この2つがアウト!
そして、代わりに何を使って、どうしていくのかを考えます。
我が家は、カセットコンロやアルコール燃料で火を作る。
お湯は、魔法瓶と電気ケトルの併用かな。

STEP3:
実際に代替のもので、調理したり、お湯を作ったりして生活する。
自分が備蓄している燃料が、どれくらいでなくなるのかというのを知っていくことは、すごく参考になります。
なんとなく、カセットボンベ10本あればいいかな?というよりも、
1本で、1日3回料理に使って、3日持つから、10本あれば30日分はあるかな。というほうが、具体的ですよね。
燃料は、家族構成や生活あれこれによって、もつ時間がかなり違うと思います。
私たちの家族だったら、こんな感じ!という基準がわかると、計画が立てやすくなりますよ。

STEP4:
振り返り、備品の量や必要なものを再検討する。
上記にも書きましたが、振り返りながら私たちの家基準が持てると、備えが具体化しやすくなります。
何がどれだけ必要か。なんとなく準備したけれど、使い勝手はどうだったか。
他にいいアイディアはないのか?などなど、家族で対話が持てるとさらにいい時間になりますね。

ガスの次は、電気、水、インターネット・・・
順番に、1つずつでいいと思います。
(もちろん、全部でもいいと思いますが)

「いつも当たり前にあるもの」を使わないで生活するということは、
どういうことか子どもと体験する。

やってみて、やりながら、考える。
そこからでしか得れない学びや知恵があるので。

日常の延長に考える:家の中編

家という、ふだんの生活がある場所。
家族が、安心できる場所。

その「家」の中のことを、日々、どんな状態にしておくといいか。

そんな視点もいれながら、

・物の位置
・日々の片づけ
・徹底したい習慣
・情報共有

というものを話し合ったり、徹底させたりすると、日常と備えが繋がってくるのではないかと思います。

これをやったらいいよ!といわれいるもの

・ベランダ(避難通路)に物をおかない
・避難経路の確認
・お風呂の残り湯はおいておく
・耐震アイテムで転倒防止
・使わないときはコンセントからプラグを抜く
・ガスの元栓チェック

等は、やっておくと万が一の時に、自分たちを守ってくれると思います。
これらを参考にしつつ、自分たちはどうするかを考えて、やっていくことが大切です。

これは、我が家の場合ですが、夜の避難経路の確保は、徹底しています。

寝る前に、【必ず物を片付けて寝る】を、口うるさく言います。

・床に物が落ちていない状態
・玄関までの通り道には、物を置かない

逃げなきゃいけないときに、下に物が落ちていて踏んでケガするのは困ります。
玄関までたどりつくのに時間がかかるより、はやく玄関から出れる状況のほうがいい。

ただでさえ【暗い】【怖い】【パニック】がそろっている状況なので・・・。

実際は、物が倒れたり、ものが飛んだりする可能性があるので、
床片付けいたとしても、何かがある中逃げるという可能性が高い。

でも、落ちてる数は少ない方がいいのと、
日々の意識づけのための習慣でもあります。
(部屋もきれい、リスク減る、一石二鳥)

これは、私が阪神淡路大震災で被災した経験(自分の家の中)からくるものだと思います。

・部屋にあるものは、全部飛んでくる可能性がある。
・部屋のものは、倒れてくる可能性がある
・場所が悪ければ、自分が下敷きになる(自分にとんでくる)
・物が倒れたり、重なると、なかなか動かせない
・いろんなものがいろんな方向に重なると、びっくりするくらい重い
・物の配置や置き方で、部屋の被害の状態が全然違う
・ガラスや陶器は割れる
・扉があかないと、部屋から脱出できない
・物が割れた場合、裸足だとケガする

ってことを、身をもって体験したので・・・
過剰に徹底していることがたくさんありますし、子どもたちにも理由と共に、行動を促しているのです。
(家のものの配置、高さ、飾るものの位置や材質、物をしまう場所についてなど)

習慣かしてしまうと、日常に溶け込んでくるので、とても楽です。
ぜひ、日常の中に備えを!

日常の延長に考える:子ども編

もしもの時、子どもたちはどこにいるのだろうか。
私は、どこにいるのだろうか。

その答えは、「わからない」ですよね。
一緒にいるときであれば、守れることもあるかもしれませんが、
自分と違う場所にいれば、そこで子どもは子どもなりに選択し、行動していくことになります。

子どもの直観と、ご先祖様の加護を信じて!という視点も確かにあるのですが、
できることは、やっておいたらいいのでは?と思います。

子どもとできる準備は、「コミュニケーション」です。

お子さんの年齢や生活スタイルによって、話す内容は変わると思いますが。

我が家の場合は、
もし学校で大きな地震に遭遇したら、何に気を付けて、どう行動する?
先生は、信じる?信じない?
一番大事なことは何だろう。
もし、先生が支持することと、自分の感覚が違ったら、どっちに従う?

などなど、いろんな場面を1つ1つ想像しながら、話し合います。

阪神大震災での自分の体験をもとに、話をしたり。
大船渡小学校の津波の話をもとに、誰も想定できないことが起きた時について対話したり。
ソウル梨泰院雑踏事故の話をしながら、集団心理や集団という生き物について学びを深めたり。

いろんな視点で、子どもをしっかり話をすることは、とても大切なことだと思っています。
もしもの時、子どもを支える言葉になりうる可能性もあるからです。

今でも必ず言うことは、
たとえ離れ離れになったとしても、必ず迎えに行くから。
会えるまでは、母に対しては、おへそホットラインで話すんだよ。
母には、必ず届くから。

いかがだったでしょうか。
正しく恐れて、しっかり備える。
大人だけではなく、子どもと一緒に。
特別なことより、日常の延長で、ぜひ。

必要な人に届くことを願っています。

以前、子どもと自分の身を守るお話会という会に読んでいただいた時の記事の
まとめ記事を読んでみてくださいね。

※防災講座、ご依頼あればいつでも開催可能です。
ご興味ある方は、何名か集めていただけたら伺います&オンライン開催もできます。
実際の講座や、食材のカタログを見ながら保存食をチェックしたり、防災マップを見てみたりしながら、
自分だけの防災シートを作成していきつつ、実践的に備えを進めていただきます^^

https://www.nwn.jp/feature/180825_katariai/