【オランダ視察編】ダルトン教育とサーミのコンセプトで学校・学級経営(2017年9月7日)

視察日:2017年9月7日
視察先:Rietakker/サーミのコンセプトで学校・学級経営(ダルトン教育)小学校

学校紹介

校長先生が、学校の紹介と学校運営について詳しく教えてくださいました。

学校には5つ価値観があります。
「安全」「コミュニケーション」「自立」「成長」「キリスト教精神」

校長先生と、先生とで決めたものです。

8:00に先生が来て、
8:20に子どもが来ます。

毎年の子どもの数で、クラスの数が決まります。

高学年の主任→4-8グループの責任者
低学年の主任→1-4グループの責任者

その上に校長がいます。

週に一度だけ、事務的なミーティングがあります。
時間は、10分です。

他の日の朝は、10 分 間、みんな集まってコーヒーを飲みながらコミュニケーションをとります。

放課後の、会議はほとんどありません。

先生から要望があれば、ミーティングを開きます。

8年前に校長先生がセルファースのコーチを受けて変わり、
学校にサーミを導入することにしました。
学校でしかサーミのトレーニングは受けていません。

校長のスタンス
朝、学校の入り口にたち、保護者に会います。

プロセスのなかにはいる(理解してもできるまでに、時間がかかる)

力で人を動かそうとするよりも、魅力(人を惹き付ける力)で、ついていこう!

教員が間違うこともある、失敗してもいいよという環境が大切です。

間違いをしないようにしなければいけないよりも、
その次どうするかにエネルギーを、使うことが大切です。

リーダーは失敗してはいけないという、課題に取り組んでいます。

SAMI-Trainingでの学校運営

SAMI の概念は、社会システムにおける学習、発達、成長の不可逆的な動きを生み出す反省と行動の概念です。教義ではなく、反映できる普遍的な本質を理解することを教え、より適切に行動することを教えるユニークな概念です。(Sami-Trainig

四年前に、サーミトレーニングをチームでスタートしました。

以前は、

何か課題があったら、あってから対処していました。
そうすると対処に追われることになります。

何かあったら人のせい、誰かのせい、ばかりでした。

「事前に、そうならないよいに、ならないのか?」ということを考えるようになり、
自分の責任を、もつ、とるようになりました。
(誰のせいか、が消えた)

同時に、責任を与えるようにもなりました。

内部コンパスが、学校の力になります。
内部コンパスをつくるのに半年かかりました。

自分がやりたいではダメ!!
チームがやりたいものを会話し、そこから内部コンパスをみんなで決めました。
(先生方が作成した2017年のビジョン)

・あなた達は、どんな学校にしたい
・何をしたい
・何を大事にしたいのか

それらをクラス で どうやって実践するの?
何をもって、わかるの?
何をやっているのか?

それらを、みんなで対話しながら考えていきました。

その結果、校長や教職員には余裕が生まれることになりました。
先生同士の関係、先生と子ども達の関係、子ども同士の関係が、とても良好になりました。

学校の考えや、どうしてやっているのか、保護者に常に言うように実践し、
子どもに対しては、子どもにわかるように翻訳しました。

子どもに翻訳する際は、イラストを使いました。
このアイディアは、先生のインスピレーションです。

どうしたら、こどもにわかるの?
そこから、イラストやキャラが生まれました。

学校のキャラクター「RiCo」

低学年がわかるようにと考えられた、低学年用の価値観の壁です。

学校が目指す価値観を、低学年の子どもたちがいめーじしやすいように鳥のぬいぐるみを使いながら伝えていきます。
日常あらゆる時間に、ぬいぐるみを使いながら子ども達と担任で対話し、価値観を教えていきます。

高学年用の価値観の壁があります。

高学年の価値観の壁は、宇宙が描かれています。
地球・宇宙・ロケットで5つの価値観をあらわしています。

保護者に説明するために、様々なツールも作成しました。
学校の方針を説明したり、子どもたちの支援のステップを説明するための模型です。

家の中にはこの学校で子どもの能力や必要に応じて提供する、
教育プログラムとプロセスが描かれています。

各クラスにも、各クラスの価値観とビジョンの壁が創られているそうです。
学年が始まるときに作成し、1年を通じて、クラスで取り組んでいくそうです。

学校の様子

学校の様子を紹介していただきました。

グループ1.2

廊下のスペース

ちょうどスナックタイム(午前中のブレイクタイム)でした!

子どもたちの1週間の計画表です。
4歳や5歳から、「自分で決めて、選ぶこと」の体験を積み重ねていきます。

自由時間に遊べる遊びの種類が6種類書いてあります。
1日1回、1つ選ぶことができます。
1週間の間、1度選んだ遊びは、もう選べません。
毎日違う遊びを選ぶということが、決められたルールなんだそうです。

どのタイミングで、何を選ぶか。
1つ1つの選択とその結果を体験できる環境が、毎日あるってすごいことですよね。

クラスに必ずある、ダルトン教育の視覚ツールです。

クラスの掲示物は、目でみて、概念と言語が一目でわかるものです。

価値観の壁、ありました!

太陽は、子ども達で考えたイメージです。
これからどんなことを目指すかについて対話され、付箋に書いて、張っていくそうです。
船には子ども達が提案したクラスの価値観が書かれています。

グループ3

スペリングの授業中。
このクラスの価値観の壁は「木と鳥」のようですね。

グループ4

テスト中!
一人一人、先生が廊下のスペースに読んで、対話型のテスト。
他の子どもたちは、教室の中で自学習でした!

グループ5

誰もいない・・・


価値観の壁、発見!!

このクラスのイメージは、宇宙のようですね。みんなの乗り物はロケット!

学校のコンセプトの理解と、どう実践したらいいか考えれるようになっていました。

先生のデスクを説明してくれました。

先生のデスクの上。
自習のタイミングでは、質問があると、自分のカードを持ってきて、木の部分に差し込み自席に戻るそうです。
先生が、名前カードを見て、順番に名前がある子の机に行きます。
そして、一人一人のニーズを聴き、対応するデザインだそうです!

子どもたちの1週間の課題シートです。
各教科、どの課題を、どれくらい達成しなければならないか、1つのシートにまとめて書いてあり、
週のはじめに配布されます。

子どもたちは、このシートをもとに課題を自分で管理して、進めます。
終わったところには、色を塗っています。

ワークブック・・落書きたくさん(笑)

子どもたちは、PCルームでテスト中でした。

テストの多くは、PCに移行しているそうです。
先生が丸つけする必要はなくなり、時間の余裕ができました。
子どもたちの理解度も一括管理できるようになったそうです。

グループ7

価値観の壁は、飛行機!

グループ8

こちらも価値観の壁がありました。
「6週間の目標と各週の振り返り」のホワイトボードもありました。

6週間の目標
・私たちはお互いの意見を尊重し、お互いのためになることを心掛ける。
・私たちは相手を尊重しポジティブな姿勢で話す。
・私たちは「1つ」のグループである。
・信号(クラス内にあるコミュニケーションの信号のことです)が黄色の時はささやき声で協働し、
他の人の迷惑にならないようにする。
・臨時の先生が来た時にも自分たちの決まりを守る。

自分たちの目標が達成できたかどうかは、毎週子ども達自身で省察をするそうです。
(+と-が自己評価です。)

その他のスペース

運動ができるスペース

舞台がありました!

個別支援のお部屋

個別でサポートが必要な場合は、このようにサポートをしているそうです。

感想

学校のあらゆるところに、学校のキャラクター「RiCo」

学校の価値観伝えているメッセージが、あちこちに貼られていました。

「自分のコンフォートゾーンから勇気をもって抜け出そ
う。そこには新しく素晴らしいことが起こるよ」

学校全体で、私たちは何を大切にしていくのか、
何を大切に、どう成長していくのか、
どうやって、どんな姿勢で実践していったらいいのか。

どこにいても、どこを歩いても、様々な視覚ツールからメッセージが伝わってくる。
そんな空間でした。

先生たちは先生たちでチームとしてビジョンを創り、1年間共に取り組み。
子どもたちは、クラスでビジョンを創り、1年間取り組む。

学校全体で、取り組んでいる。
学校全体で、実践を通じて浸透していっていることが伝わってきて、
とても勉強になりました。

今回は、学校運営という視点で、たくさん学ばせてもらえて、本当に感謝です。

素敵なご縁と、貴重なお時間、ありがとうございました!