子どもの権利条約を学ぼう

夏休み最終日。
我が家では、おうち勉強会を開催しました。

※我が家は、定期的に勉強会を開催します。
テーマは、その時々の時事問題に関係して扱ったほうがいいことや、
私の専門分野の「人間理解」「人間のメカニズム」「集団の性質」などなどです。

今回のテーマは「子どもの権利条約について」

2学期が始まる前。
特に、
学校の空気が安全だと感じれない次男にとって
伝えておいた方がいいなと感じたテーマだったので、
取り上げました。

子ども権利条約とは

子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)は、1989年11月20日、第44回国連総会において採択された、
世界中すべての子どもたちがもつ権利を定めた条約のことです。
この条約を守ることを約束した締約国・地域の数は196です。
(世界の国の数は196か国です。)

子どもの権利条約は、子ども(18歳未満の人)が権利をもつ主体であることを明確に示しましたものです。

子どもがおとなと同じように、ひとりの人間としてもつ様々な権利を認めるとともに、
子どもならではの権利(成長の過程にあって保護や配慮)も定めています。

この条約の採択をきっかけに、世界中で、子どもたちの状況の改善につながっていきました。

日本と子どもの権利条約

日本は1994年4月22日に批准し、1994年5月22日に発効されました。

大人は、こちらの「子どもの権利条約全文」を読みながら学ばれることをお勧めします。
https://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_rig_all.html

たくさんの文章を読むのが苦手!という方や、
子どもと勉強したい!という方は、こちらの要約バージョンをまずご覧ください。

https://www.unicef.or.jp/kodomo/kenri/syouyaku.html

要約でも、第1条から第40条までありますが、
子どもの権利という部分で、大切なことばかりなので、
ぜひ全部確認してみてくださいね。

今回、私が子どもの権利条約を勉強会にした理由は2つあります。
・学校に行きづらさを持っている次男に、あらためて指針を渡してあげること
・もうすぐ15歳になる長男に、考えるきっかけを渡すこと

教育に関係する部分は、「第28条」「第29条」「第31条」です。

第28条「教育を受ける権利」
子どもは教育を受ける権利をもっています。国は、すべての子どもが小学校に行けるようにしなければなりません。さらに上の学校に進みたいときには、みんなにそのチャンスが与えられなければなりません。学校のきまりは、子どもの尊厳が守られるという考え方からはずれるものであってはなりません。

第29条「教育の目的」
教育は、子どもが自分のもっている能力を最大限のばし、人権や平和、環境を守ることなどを学ぶためのものです。

第31条「休み、遊ぶ権利」
子どもは、休んだり、遊んだり、文化芸術活動に参加したりする権利をもっています 。

14歳の長男と考えた第38条

私が、子どもの権利条約を子どもたちと勉強する前、
「ん?」とひっかかったのが、この38条でした。

第38条「戦争からの保護」
国は、15歳にならない子どもを軍隊に参加させないようにします。また、戦争にまきこまれた子どもを守るために、できることはすべてしなければなりません。

長男も、ここで違和感を感じ、立ち止まっていました。
15歳にならない子どもは、軍隊に参加させないようにする。
では、15歳になったこともは?
子どもとは、18歳になっていない人のこと・・。

日本では、この部分の取り扱いがどうなっているのでしょうか。

この部分に関しても、子どもたちとじっくり話をしました。

子どもの権利条約があることで

子どもの権利条約に書いてあることは、本当に当たり前のことばかりです。
子どもたちが、学校で感じた違和感の大元や、息苦しさの源の多くは、
この子ども権利条約のあらゆる尊厳が守られていない時のように感じてきました。

ただ、それを個人的な話として、学校や相談機関に相談しても、
個人の話や感覚として、扱われてしまう場合も多いように感じてきました。

子どもたちが、自分はこうだ!これは何かおかしい!と思い声をあげようにも、
「それって、あなたの意見ですよね?」のように扱われてしまう状況があまりにも多く、
どうしたものかなぁと思っていた時に、子どもの権利条約を思い出しました。

守られているかどうかは別として、
「子どもには、これだけの権利があると認めているよ」という、
大きな指針は、学校という場所の中で声をあげる子どもの1つの支えになるのでは?と思いました。

子どもの権利条約というお守り

A3版子どもの権利条約の一覧があります。
これを、家の中に1枚はっていて、長男は自由に見れるようにしています。

次男は、コピーしたものを1部学校に持っていて、
何かあったときに、いつでも見直せるように渡しています。

PDF版は、こちらにリンクはっておきますね。

自分が自分にどんな権利があるのか、知ることはすべてのスタートになります。
その上で、それが守られているのか、守られていないのか。
自分なりの判断がつくことも、とても大切です。

子どもはどうしても、近くにいる大人の影響を受けるし、
その大人の判断に従って生活することがほぼだと思います。

その判断を、大人が間違う場合があるということを、
私は、子どもたちには知っておいてほしいこととして伝えています。

大人が間違っていたと感じたら、違うよと伝えること。
そのことで気が付いて、適切な対応に変えていくことができるかもしれないから、
おかしい、何か違う、違和感を感じる。そういう時は、そのことをコミュニケーションしてね。
(これは、我が家の場合です。)

なにより、子どもたちに知ってほしいのは、
自分にはたくさんの権利があるということ。

その権利を、知らず知らずに奪われてしまう可能性ももちろんあるけれど、
守ろうと大人が約束し、その方向で1歩ずつ世界が動きがしていることです。

自分の権利は、必要ならば自分で守る行動を起こす必要があるし、
その権利も持ち合わせているんだよ。

このニュースは、まさにその例になるので、
子どもたちにも紹介しました。

「こんなことが、できるんだ・・」と驚いていました。

子どもと若者が気候変動訴訟で勝訴(オランダ子どもニュースより)

こども基本法について

1994年から時は経ち・・・
令和4(2022)年6月15日に国会で、「こども基本法」は可決成立し、令和5(2023)年4月1日に施行されました。

日本の動きは「子ども家庭庁」のサイトと動きを、
ご自身で見てみてくださいね。

お子さんがいらっしゃる方は、
国連の動きと子どもの権利条約を勉強した後に、
日本の動きと内容を見て見られることをお勧めします。

https://www.cfa.go.jp/for-children/

この動きを見たら、
・自分の権利の行く末を、誰かに任せて待っているのか
・自分が自分のために、何ができるのかを考えて行動する
のか、考えることができるのではないでしょうか。

不登校のご家庭に向けて

学校に行けないお子さんと、ご家庭。
学校へ行かないお子さんと、ご家庭。
ぜひ、子どもの権利条約に目を通してみてほしいのです。

子どもの権利条約に、私たちが住んでいる日本という国があります。
1994年から、賛同しているのです。
実際に、ちゃんとできているのかは、少し横に置いておいて。
この条約を守ることを約束している国なんです。

だから、約束を守ってもらえるように、間違っていることは間違っている。
おかしいことは、おかしいって、言っていいんです。

一生懸命考えて、工夫して。
頑張ってやっていくのは、大人なんです。

子どもの声に耳を傾けてもらうために・・・

この2つを、最後に載せておきます。

第12条「意見を表す権利」
子どもは、自分に関係のあることについて自由に自分の意見を表す権利をもっています。
その意見は、子どもの発達に応じて、じゅうぶん考慮されなければなりません。


「子どもの権利条約」4つの原則の1つ
子どもにとって最もよいこと
子どもに関することが決められ、行われる時は、「その子どもにとって最もよいことは何か」を第一に考えます。

子どもにとって、もっともよいことは何かを考えていく。
そのために大切なことはなんでしょうか。

大人であれば、子どもの声に耳を傾けるということかもしれません。
子どもであれば、自分の意見や思い、感じていることなどを、伝えていくことが大切になっていくでしょう。

どう思っているのか。
どう感じているのか。
何が困っているのか。
どう改善したらいいのか。

大人がわからないことは、たくさんあります。
子どもが、自分がどうなのかをしっかり伝えていく先に、
「その子どもにとって最もよいことは何か」が見つけられてきます。

本当に、この条約を前に進めていこうとも思ったら、
大人は、必ず子どもの声に耳を傾けて、一緒に進めていくことが大切になってくるのではと、
私は考えています。

子どものことを相談にいっても、
なかなか耳を傾けてもらえない場所や人も、まだまだあります。

そんなときは、お守りにしてくださいね。

子どもたちが、毎日幸せに、のびやかに育っていく社会でありますように。
その方向に、現実を動かしていけますように。

もし、どうサポートしていいのかわからない、
子どもの権利条約をもっと学びたい
どうしていいかわからない

そういう方がいれば、お問い合わせからご連絡くださいね。

また、子どもの権利条約の勉強会は、
お声がけいただければ開催可能です。
ご自分で難しい方は、ご依頼いただければ伺います^^